お知らせ
平成30年度 生活便利グッズ工作教室を終えて
7月31日(火) 13時30分~15時30分まで、岐阜市民福祉活動センター2階大会議室にて「平成30年度 生活便利グッズ工作教室」を開催しました。小学生・中学生、定員各10名のところ、「広報見ました」「咲楽見ました」という方から、小学生9名・中学生2名の申込みがあり、保護者の方も8名が参加してくださり、賑やかに行いました。
センター職員による自助具の紹介と製作する便利グッズの紹介をして、スタートしました。
小学生は、ソックスエイド&靴ベラ(腰が曲がりにくい、腰が痛いなどの時にも、靴下や靴を履きやすくする道具)と、お薬取り出しケース(指先が使いにくい人も錠剤や粉の薬を出しやすくします)の2種類を作りました。
<ソックスエイド&靴ベラ>の作成は、型紙を切るのは簡単!でもプラスチック製の薄いまな板を切るのはちょっと力が要ります。低学年のお子さんは保護者の方に手伝ってもらいながら切っていきました。
切った後は、紐の通し方に一工夫。ずれないようにするためには「どうするといいかなぁ」と、見本を見ながら親子で考えます。
さっ!試してみましょう。 んっ!?なかなかうまく履けません。何度も繰り返すうちに使用方法がわかってきたようです。ソックスエイドの用途は、腰が曲がりにくい・痛い方等が、かがまなくても履けるということ。子どもたちは、いつも靴下を履くように足を持ち上げてしまうことで、上手く活用できていなかったことに気付いてくれました。
靴ベラの用途がわからず、苦戦している子がいましたが、お母さんが「そっか 靴ベラを知らないよね」と使い方を教えながら「おなかが大きくなった妊婦さんもしゃがみにくいから、靴ベラを使うと靴が履きやすいんだよ」と語りかけみえました。お子さんも「本当だ!履きやすいね」と靴ベラの使い方を知ることができました。
<お薬取り出しケース>の作成は、寸法を測る、切る、折る、両面テープで止める等、たくさんの工程があります。「1.5㎝を測るよ」「まっすぐに折るんだよ」「指を切らないようにね」保護者の声掛けの中での作業です。子どもたちは真剣に牛乳パックと向き合っていました。最後には千代紙で飾り、個性豊かなケースができました。
作った作品を最後に体験コーナーで試せるようにしましたが、<お薬取り出しケース>の場合は、誤飲の危険があるため、センターで薬を準備することはできないので、家に帰り保護者指導の下、試していただくこととしました。
なぜ小さな紙コップをケースの中に入れるのか?ペットボトルではダメなのか?作りながら様々なことを考えた子もいました。「何か作れないか」と余った材料で、一生懸命自分のひらめきを形にしようと頑張って作っている子もいました。「上手くできなかった~」と嘆いていましたが、家に帰って再挑戦する!とのことでした。子どもの発想は柔軟で素晴らしいです。
中学生は、万能カフ(握る力が弱い時でも、鉛筆やスプーンなどを持ちやすくします)と、バネ箸(箸がバラバラになりにくいので、手が不自由な人も使いやすいです)と、ストローホルダー(手を使いにくい人が飲み物を飲む際にストローを固定するもの)の3種類を作りました。
<万能カフ>の作成は、ブックバンド等に使われるベルトに、自分の手の大きさに合わせた滑り止め・使いたいもの(スプーン、鉛筆等)の固定位置を決めるのに少しあたふたしましたが、あっという間に完成しました。
体験コーナーで、できた万能カフを使って小豆をすくってみました。「思っていた以上に量がすくえる」「物を握れなくても自分で食べれるのか!いいなぁ」との感想。スプーンを鉛筆に変えて字を書いてみたら「書きにくい」「グラグラする」との感想。字を書くと言うことは、鉛筆に少し力が加わります。鉛筆をしっかり固定しないといけないことに気付いてくれました。
<バネ箸>の作成は、箸に針金を添えながら、ビニールテープでクルクル止めるだけなのですが、綺麗にまくのが難しいです。
バネ箸もできあがったら、体験コーナーで試してみますが使い方に注意です。普通に持ってしまっては、箸をくっつけた意味がありません。手指をうまく動かせない人をイメージして、箸の上から手をかぶせるように持つ、又は下から握るように持つ。小豆をつまむのは難しいですね。子どもたちは苦戦していました。「箸を持つって普通に思っていたけど、持ち方が変わると使いにくいね」「バネ箸は離れないから、普通にラーメンが食べれるね」「これは、スプーンとフォークをくっつけたほうが使いやすいんじゃないかなぁ」とのひらめき。そのアイディアいいね。今度センターで作ってみようと思います。
<ストローホルダー>の作成は、大きめのクリップをペンチを使って、直角に曲げたり、広げたり、切ったりして形を整えたら、先端にグルーガンで滑り止めを作ります。グルーガンを直接つけてもいいんですが、火傷をしないためには、紙の上に垂らしておいてすくうと上手くできます。
さすが中学生男子、クリップを難なく曲げていました。ストロースタンド・歯ブラシスタンド以外の用途は何かないか聞いてみましたが、「今は思いつかない」とのことでした。小学生さんにも聞いてみればよかったかな。
今回作った作品以外にも、センターにて展示している自助具・便利グッズを数点展示したところ、子どもたちも初めて見るグッズに興味津々で、色々試してくれていました。
ボタンエイドは、片手でボタンをはめる道具です。初めは両手を使ってしまうけれど、慣れてくると片手で使用できるようになりますよ。
<工作教室参加者の感想>
・自分で作れてよかったです。 ・今日作った物はこれからの生活にいかしていきたいです。 ・こういう工作をしてすごくよかった。 ・また、来たいし楽しかったです。 ・くつべらがべんりなことに気づきました。 ・低コストで目的に合った生活便利グッズはいいと思った。 ・今日学んだことを、実際困っている人に僕なりのアイディアで、伝えれるようにしたいと思う。
最後に、自分の作った作品を持って集合写真を撮りました。
障がいのある人、高齢の方だけではなく、誰にでも使いやすい便利グッズを、子どもたちに知ってもらう企画「生活便利グッズ工作教室」を、又来年開催しようと思います。
※写真の掲載については、保護者の方の同意を得ています。